LUCKY通信 2018年4月号 公示地価上昇 全国へ波及

国土交通省は2018年1月1日時点の公示地価を発表しました。全国の地価変動率は全用途で3年連続の上昇となり、全国で最も地価が高かったのは12年連続で東京・銀座4丁目の山野楽器銀座本店で、1坪(3.3㎡)あたり1億8,347万円と、公示地価として過去最高を更新しました。

背景として国土交通省は、全国的に雇用・所得環境が改善に向かい、利便性の高い地域を中心に住宅地価が回復していることと、訪日客の増加に伴い店舗・ホテル需要が旺盛であることから商業地の地価が堅調に推移しているとしています。

インバウンド需要の拡大は、不動産投資の主役がオフィスから店舗・ホテル、物流に移行しており、住宅地での投資は超一等地からやや割安で利便性の高い一等地に移っているのが今回の公示地価の特徴です。

住宅地の全国上昇率トップ10は北海道と九州・沖縄が占めました。北海道の倶知安町が上位3地点を占めて、那覇市など沖縄県が4~9位の6地点、10位に福岡市が入りました。

商業地の上昇率トップ10でも倶知安町が1位。2位に大阪・道頓堀、3位に京都・東九条と続きました。商業地は大阪・京都・神戸の近畿勢と名古屋で8地点を占め、伸び率は西高東低。地価高騰の著しい東京を嫌った投資マネーが流入しました。

東京の住宅地では、不動産投資の拡大との相乗効果を受けて都心部のマンション需要は底堅く、新興富裕層によるマンション需要を受けて、港区赤坂1丁目(坪1,325万円)が地価水準で、昨年まで1位だった千代田区六番町(同1,272万円)を抜いて初のトップに躍り出ました。

ただ、都心部の上昇率は縮小しており、拡大幅は利便性が近年改善した下町を中心とするエリアの荒川区、北区、足立区での上昇率が目立ちます。

名より実を重視する住宅購入者が増加しており、分譲マンションは都心・準都心・郊外と三極化しています。

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