LUCKY通信 2019年2月号 不動産市況に転機が!
不動産市況が転機を迎えています。現在、新築分譲マンション、建売住宅に加えて、買取再販業者、収益物件の販売会社など社有の在庫を抱える不動産会社が目立ってきています。最近の新聞広告、折り込みチラシ等には社有物件が数多く掲載されています。
業者間の図面配布システム・at home(アットホーム)でも配布される物件の内、社有(売主)が殆どで、媒介(仲介)物件は全体の10%前後です。仲介手数料は業法で3%と定められていますが、最近では一部の売主業者が4%~6%出すという表示をしております。
また、最近では売れ行きの鈍化傾向が明らかになってきたことで、値下げするケースも目立ってきました。某マンション買取再販業者では、10~15%値下げの物件もあります。一般的には、まだ5~10%程度の値下げですが、在庫の増加とともに、これからもっと値下げせざるを得なくなり、換金処分の動きが出てくるものと思われます。既に少数ですが、経営破綻の声も出ています。
首都圏における中古マンションの在庫数は、2008年9月のリーマンショック直後、更に前回の消費増税前の水準を超えており、今世紀に入ってからの最高を記録しています。空前の在庫増と言えます。内訳では5,000万円以上の中古マンションの在庫増が顕著となっています。
今回の市況の変化の発端は、相続対策の手段として建築されたアパートやマンションの空室増加であり、その後に発生したスルガ銀行の不正融資問題により、金融機関の融資姿勢が変わってしまいました。不動産投資についての融資は基本的には不可という金融機関も出てきました。
異次元の金融緩和によって大都市圏の不動産が高騰し、顧客離れが進み、購買心理が変化してきました。
今後の不動産市況はどうなるのか、要注目です。