LUCKY通信 2019年5月号 約40年ぶりに変わる「相続法」
相続におけるトラブルを防ぐために、民法では誰が相続人となり、また何が遺産にあたり、被相続人の権利義務がどのように受け継がれるかなど、相続の基本的なルールが定められています。この民法の相続について規定した部分を「相続法」と言います。
相続法は、昭和55年(1980年)に改正されて以降、大きな改正は行われていませんでしたが、高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、約40年ぶりに大きな見直しが行われました。
今回の相続法の改正の主な内容は次の通りです。
1.「配偶者居住権」の創設
配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利です。
例:相続人が妻と子1人、遺産が自宅2,000万円+預貯金3,000万円の場合 自宅=配偶者居住権1,000万円+負担付き所有権1,000万円、預貯金は各1,500万ずつとし合計各々2,500万円ずつとする。
2.自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能に
今まで自筆証書遺言は、添付する目録も含め、全文を自書して作成することが必要でしたが、添付する相続財産の目録については、パソコンで作成したものや通帳の写しなどを添付することでOKになります。
3.法務局で自筆証書による遺言書が保管可能に
自筆証書による遺言書は自宅で保管されることが多く、折角作成しても紛失したり、捨てられてしまったり、書き換えられたりするなどの問題がありました。それが、法務局で保管する制度が創設されます。
4.被相続人の介護や看病に後見した親族は金銭請求が可能に