LUCKY通信 2019年4月号 公示地価上昇だが・・・

国土交通省は3月19日、2019年1月1日時点の公示地価を発表しましたが、全国平均の地価は4年連続で上昇しました。
今回の公示地価では、地方圏の住宅地が1992年の調査以来27年ぶりに上昇に転じました。

また商業地では、主要都市でのオフィス空室率の低下、インバウンド観光客の増加による宿泊・商業施設の需要、インフラ整備や再開発事業の進展による利便性向上などを要因として挙げています。
地価の上昇率が高い地点には、リゾート地として人気が高い北海道のニセコを筆頭に、大阪や京都、沖縄など主要な観光地が並んでいます。

4年連続の上昇とは言え、全国平均の上昇率はまだ1.2%に過ぎず、「実体経済の範囲内の動き」ということでしょう。地価の水準はかなり高く、東京や京都、沖縄などの商業地はリーマンショック(2008年9月)前の水準を上回っています。
全国・商業地の最高額地点は、中央区銀座4の坪1億8,909万円で、2~4位までが銀座、5位が千代田区丸の内2の坪1億2,165万円、6位が新宿区新宿3の坪1億1,900万円で、10位までがすべて中央区・千代田区・新宿区です。
全国・住宅地の最高額地点は、港区赤坂1の坪1,434万円、2位が千代田区六番町の1,299万円で、5位までがすべて港区と千代田区です。

しかしながら「不動産市況は昨秋以降、減速感が次第に強まっている」という声をよく聴きます。特にスルガ銀行等の金融機関による不動産融資の不祥事により、金融庁の銀行に対する目は一段と厳しくなっています。
今後、政治・経済動向の不安と金融環境の変化で不動産業の業況の悪化の可能性は高まっていくものと思われます。

アベノミクス政策による今回のバブルは終わり、これからその後始末を迫られることになりそうです。

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