LUCKY通信 2018年8月号 路線価、二極化が鮮明

「残暑お見舞い申し上げます」   平成30年晩夏

日銀がマイナス金利を導入して4ヶ月が経ちました。
マイナス金利を好感した投資家が注目したのはJリートです。導入後しばらくはJリートの投資口価格(株価に相当)が上昇し、いったん落ち着いた後にマイナス金利で収益が圧迫される銀行がJリート投資を増やすなど再び株価は上昇気流に乗り、東証リート指数は2000ポイントを狙う水準までになりました。
現在のように平均利回りが3.5%を下回る状況は明らかに高値です。

そもそもマイナス金利の導入は、日銀が民間の銀行に対して融資を増やせというシグナルですが、融資対象を見ると不動産の他に資金需要が見い出せないのが実情です。
日銀の統計だと全融資の内、2割程度が不動産向けとなっています。融資先を増やすとしても不動産融資が増えて物件価格の押し上げが顕著になるだけで、このまま行けば今年後半には東京都心でミニバブル、局地バブルが発生する可能性がありそうです。

現状の価格高騰を踏まえて大手不動産系でオフィスビルを対象とするJリートは「今は買い時ではない」と明言しており、Jリートの新規物件取得の勢いは、後半に向かってさらに鈍るのではないかとも言われています。
更に、今年2月のマイナス金利政策導入以降、風向きが変わった点として外国人投資家の動向があります。2~3月は外国人投資家が大幅に買い越しており、その規模は過去2~3番目と言われています。これまでも日銀が金融緩和を打ち出すと外国人投資家が買い越す傾向はありましたが、そのJリート買いが一服しました。

東証が6月10日発表した統計によりますと、外国人投資家は5月に314億円を売り越しました。売り越しは4ヶ月ぶり
で、日銀がマイナス金利政策を導入して以降では初めてです。日銀の追加緩和期待が薄れ、Jリート相場の先高感が後退していることが背景にあるようです。

国税庁が7月2日発表した2018年1月1日時点の路線価は、東京や京都などが大幅に上昇。好調な企業業績を背景にオフィスの移転・拡張の需要が高く、国内外の投資家による資金投下も続いています。一方、同じ県内で中心部や訪日客増の恩恵を受ける地域と、それ以外では地価の二極化が鮮明になっています。

今回、最高路線価が上昇した都道府県庁所在都市は33都市(前年27都市)、横ばいは13都市(同16都市)、下落したのは、商業施設撤退の影響を受けた水戸市のみ(同3都市)でした。下落した都市の数については、ゼロだった1991年以来の低水準となりました。

路線価の最高は、前年に続き中央区銀座5丁目の「鳩居堂前」で、1㎡4,432万円(坪1億4,651万円)と、前年比9.9%上昇で、前年の上昇率26.0%と比べれば上げ幅は縮小したものの、引き続きバブル期を超える水準で過去最高額を更新。1986(昭和61)年以降、33年連続で全国最高額となりました。

東京以外の都市では、大阪市御堂筋の通称「阪急梅田本店前」が1㎡1,256万円(坪4,152万円)で、6.8%上昇。以下は横浜駅西口バスターミナル前通りが1㎡1,024万円(坪3,385万円)で、13.3%上昇。名古屋市名駅通り1㎡1,000万円(坪3,305万円)と続きます。

< 夏期休業のお知らせ >
下記の期間、休ませていただきます。
8月9日(木)~8月16日(木)

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